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この記事をおすすめする方
- 複数のブラウザ間でブックマークバーの同期をしたい人
- 無料で便利に利用したい人
最近は、多くの無料ブラウザが登場しており、つい興味本位でインストールしてしまうことがあります。
その結果、ブラウザごとに保存されているブックマークが異なり、「どのブラウザに何のブックマークを登録したか分からない」という状況に陥ることもあります。
そこで、これらの散らばったブックマークを整理整頓するのに役立つ便利な拡張機能を見つけたので、ご紹介します。✨
「EverSync」とは

「EverSync」は、複数のブラウザやデバイス間でブックマークを同期・バックアップするための便利なツールです。
これを使用すると、例えばChromeとFirefoxの間でお気に入りを一元管理することができます。
さらに、クラウドを活用することで、オンライン上からどこでも簡単にブックマークへアクセス可能になります。
また、重複したブックマークの検出機能や空のフォルダのチェック機能を搭載しており、効率的にブックマークを整理整頓することができます。
ブックマークが散らかりがちな方にとって理想的なツールと言えるでしょう。
利用できるブラウザは?
「EverSync」は、以下の有名なブラウザで利用可能です:
・Google Chrome
・Mozilla Firefox
・Microsoft Edge
また、Chromiumベースのブラウザ(例: BraveやVivaldiなど)でも使える場合があります。
多くの有名なブラウザであれば利用できると思うので試してみて下さい。
無料で利用できる?
無料で利用可能です。
有料版も提供されていますが、現時点で私は無料版を使用しており、特に不満を感じることはありません。
◆無料版と有料版の違い
機能 | 無料版 | 有料版 |
---|---|---|
保存可能なブックマーク数 | 15000 | 無制限 |
プライベートブックマーク | 500 | 無制限 |
アーカイブブックマーク | 500 | 無制限 |
バックアップと復元 | 手動のみ | サーバーでの自動バックアップ |
サポート | 標準サポート | 優先度の高いサポート |
値段 | 無料 | 月額:$15、年額:$44.99、生涯:$129 |
※無料版は上記の制限はありますが、無期限で利用可能です。
有料版を利用するメリットの一つは、「無制限」にブックマークを保存出来ることです。
ただし、通常の用途であれば、無料版でも「15000個」のブックマークが保存できるため、大量のブックマークを保存する必要がない方には無料版で十分だと思います。
ちなみに、私自身はあまり積極的にブックマークを登録しておらず、現時点では「200個」ほどしか利用していません。
なお、「15000ダイヤル/ブックマーク」と記載されていますが、この「ダイヤル」とは、別の拡張機能「FVD Speed Dial: Sync Groups And Dials」(以下、FVD Speed Dial)で利用するショートカットリンクのことを指します。

「FVD Speed Dial」と組み合わせて使用することで、「EverSync」はさらに便利に活用できるツールとなります。
※「FVD Speed Dial」の詳細については、この記事では割愛します。
また、有料版のもう一つのメリットして「サーバーの自動バックアップと復元」機能があります。
この機能についてですが、私は有料版を利用していないため、正確な詳細は分かりません。ただ、無料版では「サーバーのバックアップ」を手動でも自動でも行うことができないように感じました。
サーバーではブックマークバーの同期内容の保存や管理も出来るのですが、それ以外にも「ブックマークバー」に反映させないデータなども登録ができます。
そのため、「EverSync」を長期的に活用し、サーバーの機能をより有効に利用したい場合は、有料版の導入をおすすめします。
サーバーでの「ブックマークバーの同期内容の保存や管理」だけが目的であれば、無料版で十分活用できると思います。ブックマークのバックアップについては、ブラウザのエクスポート機能を使用するだけでも対応できるからです。
結論としては、「膨大な数のブックマークを保存したい方」や「サーバーのバックアップがしたい方」でない限り、無料版でも十分満足できるでしょう。
日本語に対応している?
残念ながら、UIを日本語に変更することはできず、英語のみ対応しています。
私自身もブラウザの翻訳機能を活用しながら設定を行いましたが、基本的にこのツールは「ブックマークの同期」を目的としているため、使い方に慣れれば大きな問題は感じなくなると思います。
実際に利用してみて問題はない?
初めて利用した際、ブラウザの「ブックマーク」が消えるトラブルがあり不安を感じましたが、現在では仕様を理解し、原因を把握しています。
この問題は「クラウド」にデータがない状態で「ローカル」に同期を行ったことが原因でした。
「EverSync」はブラウザ間の同期のために「クラウド」を利用しており、クラウド上のブックマーク情報が導入した全てのブラウザのブックマークバーに反映されます。
このクラウドにデータがない状態で同期を行うと、「ブックマーク」が上書きされ消失する可能性があるため、導入前に必ずバックアップを取ることをおすすめします。
ちなみに、クラウドの状態は常に確認できるため、使い慣れてくれば同期内容について不安を抱える必要はありません。
初期のトラブル以降、現在では問題なく利用できてます。
「EverSync」を導入することで出来るようになること
現在登録されている「ブックマーク」数を確認出来る
サーバー側とブラウザ側(ローカル側)の両方のブックマーク数を確認することができます。
機能そのものには大きな影響はありませんが、登録されている数を把握できるのは便利です。

●上記項目の説明
Items Online(クラウド側に保存しているブックマーク数)
Archived(クラウド側のアーカイブの中にあるブックマーク数)
Trashed(クラウド側のゴミ箱の中にあるブックマーク数)
ーーーーーーーーーーーーーーー
In Your Browser(ブラウザ側にあるブックマーク数)
アップロードした「クラウド」の内容を確認可能
同期するブックマークのデータは「クラウド」に保存されます。
「クラウド」は、ブラウザ間でブックマークを保存および管理する場所を指します。この「クラウド」の内容を確認できるため、現在の状態が不明で不安になることはありません。
「クラウド」の画面では、サイトの登録や削除に加え、「重複ブックマークの検出&削除」や「空のフォルダ削除」などの整理機能も利用可能です。これにより、クラウド側で整理したブックマークをブラウザに反映させることができます。
↓下の画像がクラウド上の画面です。

利用し始めた当初、クラウド側は「同期内容を確認・管理するためだけの場所」と思っていましたが、実際には上記の画面自体をブックマーク管理に活用することができます。
・お気に入りのサイトを「★Favorites」に登録する
・頻繁には利用しないが削除したくないブックマークを「Archive」に保存する(過去資料の整理に便利)
・ブラウザ側のブックマークバーには表示せず、とりあえず保存しておきたいサイトを「Unsorted」フォルダに保管する
このように、クラウド側のみで分類・保存・管理することも可能で、必要に応じて「クラウド」からサイトを利用するという選択も出来ます。
重複したブックマークの削除が可能(「クラウド」側のみ)
クラウド内に保存された重複するURLのブックマークを検出し、削除して整理することができます。

手動で同じURLを探し出す手間が省けるため、非常に便利です。
空のフォルダを削除可能(「クラウド」側のみ)
重複したブックマークを削除した結果としてできた空のフォルダを簡単に削除することができます。

この機能も非常に便利です。
バックアップと復元について
無料版では「ローカル側(ブラウザ側)」のみのバックアップと復元が可能ですが、有料版を利用すると「サーバー側(クラウド側)」での自動バックアップと復元も可能になります。
私自身は無料版を利用していますが、「ローカル側」のバックアップについては使い勝手が悪いと感じました。
その理由は、「EverSync」でバックアップを行ったデータを復元すると、ブラウザのブックマークバーの内容がすべて上書きされてしまうためです。
具体的には、バックアップを取った後に新たに登録したブックマークも上書きによって消えてしまうため、利便性が低いです。
そのため現状は、ブラウザのエクスポート機能を活用してブックマークをバックアップする方が便利だと思います。この方法なら、既存のブックマークを維持しつつ新たなブックマークを追加する形でインポートできるため、効率的です。
「EverSync」の利用方法
ここからは、インストールから設定までの具体的な手順を解説します。
導入前に必ずブラウザのブックマークをバックアップする
先に説明しましたが、「EverSync」はブラウザで利用している「ブックマークバー」の内容を同期する拡張機能です。そのため、操作を誤ると「ブックマークバー」のデータが消えてしまう可能性があります。
各ブラウザでのバックアップ方法は異なりますので詳細は省きますが、必ずバックアップを取るようにしてください。
例として、「Vivaldi」でのバックアップ手順を挙げておきます:
1:左上の「Vivaldi」アイコンをクリック。
2:「ファイル」→「エクスポート」→「ブックマークをエクスポート」を選択。
3:出力されるファイル(例: bookmarks_<今日の日付>.html)を分かりやすい場所に保存。
「ブックマークバー」以外のデータが消えることは基本的にありませんので、バックアップは「ブックマーク」のみで問題ありません。
「EverSync」をインストールする
以下のリンクから、「EverSync」をインストールしてください。
-
EverSync - Sync bookmarks, backup favorites - Chrome Web Store
Synchronize your bookmarks, FVD Speed Dials. Secure online access. Backup, restore your bookmarks. S ...
chromewebstore.google.com

「Googleアカウント」でログインする
(2025年4月15日現在)「Facebook」でのログインは対応していないようです。
インストール後、ブラウザ右上の拡張機能リスト内に表示される「EverSync」のアイコンをクリックしてください。


次に開いた画面で「Login」ボタンを選択します。


その後、オプション画面に切り替わり、ログインフォームが表示されます。
オプション画面の中央上部にある「Google」のマークをクリックし、使用したいアカウントを選択してログインしてください。
この段階で選択したGoogleアカウントがサーバーと紐づけされます。他のブラウザでも同じサーバーを利用する場合は、ここで選択したGoogleアカウントを使用する必要があるので注意してください。
さらに、特定のGoogleアカウントでログイン後にブラウザで別のGoogleアカウントを使用しても、サーバーとの同期には影響しませんので安心してください。ブラウザのGoogleアカウントを変更しても、「EverSync」でのログイン状態が変わることはありません。


現在のWebブラウザのブックマークを「EverSync」のクラウド上にアップロードする
注意: ログインしたのにログイン状態にならない場合は、「ブラウザをリロード(F5キー)」することで、画面表示が更新される可能性があります。
以下の手順で設定を行います。
- オプション画面上部にある「Bookmarks」タブを選択。
- 「Overwrite server data(サーバーデータを上書きする)」の下にある「Upload(アップロード)」をクリック。




これにより、Webブラウザのブックマークバーの内容が「EverSync」のクラウドに上書き保存され、データが消えるリスクを回避できます。
注意点:複数のブラウザ間での操作について
1つ目のブラウザでは、ブックマーク内容をそのままアップロードすれば問題ありません。しかし、2つ目以降のブラウザで同じ操作を行うと内容が上書きされてしまいます。
対処方法:
●2つ目以降のブラウザでは、「Overwrite server data」ではなく「Merge local and server data(ローカルデータとサーバーデータを結合する)」の下にある「Merge(結合)」を選択する。
これにより、既存のクラウドの内容に新たなデータが結合され、上書きを防ぐことができます。
自動同期を設定する
「ブラウザ」と「クラウド」間で自動同期を行いたい場合は、以下を設定します:
- 左上の『Enable auto sync (every 60 minutes)』にチェックを入れる。(チェックを入れると即座に設定が有効になります)


自動で同期が行われるため便利ですが、ブックマークを削除した場合は注意が必要です。削除した内容が復元される可能性を防ぐため、「ブックマーク削除時のみ一時的に自動同期を無効化」することをおすすめします。
以上の手順で「EverSync」を導入し、利用を始めることができます。
実際に「EverSync」を利用してみての評価
良かった点
- 複数のブラウザでブックマークバーの内容を同期できるため、同期を意識するストレスが軽減された。
- 重複したブックマークを削除できる機能が非常に便利。
- 無料でも十分利用できる。
- 保存可能なブックマーク数には十分余裕がある。
- ただし、バックアップや復元機能は有料版でないと十分に活用できない。
- 通常のブラウザで利用しているブックマークバーをそのまま同期できるため手間がかからない。
- 今後、ブックマークを追加しても特別な操作をしなくて済む。
- ソーシャルログイン(Googleアカウント)を利用できるため、簡単に設定が可能。
悪かった点
- UIが英語のみ。
- ブラウザ翻訳を使えば日本語に変更でき、慣れればそれほど問題ではないが、最初は少し手間を感じる。
- サーバーのバックアップは有料版のみ対応。
- ローカルのバックアップは、ブラウザの機能を利用したほうが利便性が高い。
- 「EverSync」のローカルバックアップは、ブックマークバーの内容をすべて上書き保存してしまうため、使い勝手が悪い。
- そのため、ブラウザのエクスポート機能を使ってバックアップを取るほうが、既存のブックマークを削除せずに追加可能で利便性が高い。
おすすめする人
- 複数のブラウザ間でブックマークを共有したい人。
- 無料でツールを活用したい人。
- 通常利用しているブックマークバーの同期を簡単に行いたい人。
最後に
現在も「EverSync」を利用していますが、導入後は「ブックマークバー」が非常に快適に使えるようになりました。
導入前は、ブラウザごとにブックマークの内容が異なり、「どのブラウザにどのブックマークが登録されているかわからない」や「すべてをバックアップするのが面倒」といった不満がありました。このような問題が「EverSync」を使用することで改善されました。
導入を検討している方には、まず導入前に「ブックマーク」のバックアップを必ず取ることをおすすめします。この点はとても重要です。
UIが英語のみである点は少しハードルがあるかもしれませんが、一度使い慣れてしまえば、それほど複雑なツールではないので心配はいりません。興味がある方はぜひ試してみてください。
ここまでご覧いただきありがとうございました!✨